
『マネー(金融)リテラシー』って何?
『マネー(金融)リテラシー』とはお金の使い方や管理の仕方について知識や情報を正しく理解して、自分で判断し行動できる能力のことです。


お金に対する知識を増やして判断して行動。
なんか難しそう?
少しづつ学ぶことでお金の使い方や管理の仕方が徐々にわかるようになってきます。
ぜひ一緒に『お金の勉強』始めよう!

マネーリテラシーの基本
マネーリテラシーとは、お金の使い方や管理の仕方について知識や情報を正しく理解し、日常生活において自分で判断し行動できる能力です。この能力には、基本的5つの要素があります。
①収入と支出の管理
お金が「どれだけ入ってきたか(収入)」と「どれだけ使ったか(支出)」を家計簿やアプリなどで記録して比べることです。収入より支出が多いと、お金が足りなくなります。計画を立てて生活するうえで必要な固定費(家賃・光熱水費・通信費など)に優先して使い、無駄遣いを減らすことで、お金を賢く使えるようになります。
②貯蓄の習慣
お給料やお小遣い、子どもだとお年玉の一部を使わずに貯めることです。急に必要なお金がいるときや、欲しいものを買うための準備ができます。少しずつでもためる習慣をつけることで、大きな安心につながります。
③投資の基本
投資とは、お金を「増やす」ために使うことです。たとえば、株式や債券を買うと、その資産価値が上がってお金が増えることがあります。ただし、増えるだけでなく減る可能性もあるため、お金の知識を増やして投資などを行うことが大切です。
④金融商品の知識
金融商品とは、銀行口座、保険、クレジットカード、投資信託など、お金を預けたり運用したりするものです。それぞれの詳しい仕組みや特徴を知ることで、自分に合ったものを選び、便利で安全にお金が管理できます。ただし、最近では投資詐欺などが流行しているため注意も必要です。
⑤ 税金や保険の知識
税金は、国や町が私たちに必要なサービスを提供してもらうために払うお金です。保険は、病気やケガ、災害などの困ったときに助けてくれる仕組みです。これらを知っておくと、社会のルールを理解して安心して生活できます。
5つの基本を学ぶことでマネーリテラシーが向上し、生活の質が安定します。
これらの要素を学び、実践することで、より堅実で安心な家計管理・資産管理ができます。
マネーリテラシーの必要性
お金は私たちの生活に欠かせない大切なものです。買い物をしたり、将来のために貯金したり、時には困ったときに助けてくれる存在です。日常生活で無意識に行動するお金の使い方を見直すことで、長期的な経済目標を達成しやすくなります。しかし、お金の使い方や貯め方を間違えると、困ったことが起こることもあります。この「お金を正しく理解し、活用する力」を「マネーリテラシー」といいます。これを身につけることは、人生を豊かにし、不安を減らすためにとても大切です。

- 計画的なお金の使い方を学ぶ
お金には限りがあります。すべてを好きなように使ってしまうと、大切なときにお金が足りなくなってしまいます。たとえば、欲しいものがある場合、計画を立てて少しずつ貯めることで、無駄遣いを無くし、本当に必要なものを手に入れることができます。 - 将来に備える力をつける
将来の夢を実現するためには、お金がたくさん必要なことが多いです。たとえば、旅行に行きたい、お店を持ちたいなど思ったとき、小さい頃からお金を計画的に貯めておくことで、その夢を実現しやすくなります。 - 緊急時に備える安心感
人生では予期せぬ出費が起こることがあります。たとえば、病気やケガ、親の介護費用などです。ある程度の貯金があれば、こうした突然の支出にも対応でき、安心して暮らすことができます。 - 悪いお金の使い方を避ける
お金の知識がないと、必要以上に借金をしてしまったり、投資詐欺や結婚詐欺などいろいろな詐欺にあったりするリスクがあります。お金の仕組みを理解することで、無駄なトラブルを避け、賢くお金を管理する力を養えます。
世界におけるマネーリテラシーの現状

世界では、マネーリテラシーの向上がさまざまな国で推進されております。特に他の先進国では、個人資産の増加や効率的な資産管理のために、教育段階から金融知識の普及が図られています。しかし、その水準や取り組み方には大きな差があります。ここでは、世界全体の状況を説明します。
先進国の中でも、特に金融教育が進んでいる国はイギリス北欧諸国やアメリカなどです。
・イギリス
イギリスでは2014年より、公立学校のカリキュラムに金融教育が必修となっています。
小学校の金融教育は義務付けされていませんが、多くの学校がお金の価値や仕組みについて算数のカリキュラムでお金に関する学習を取り組んでいます。
例えば、小学校では「お店屋さん・銀行ごっこ」などといったロールプレイングなど子どもが楽しみながらお金の知識・スキルを身に着けられる工夫がなされています。
中学校では収入と支出・保険・貯蓄と年金・クレジットと負債・金融商品とサービス・税金・投資など「お金に関する知識」を生徒に教えることが義務化されています。
・スウェーデン
小学校から高校までの金融教育は「みんなのためにみんなでお金を稼ぐこと」を重要としています。
小学校低学年では1907年から「マイブロンマ(五月の花)販売プロジェクト」を学校が行っています。子どもたちに決まった数のピンやバッジが支給されます。それを持って近所の家を回ったりスーパーの前で販売します。売上の1割を子どもが受け取って、残りが「マイブロンマ協会」によって貧しい家庭の子どもたちのために運用されます。この活動は子どもたち自身が貧しい家庭の子どもたちのためにお金を集める活動となっています。
おこづかいは子供が「お金の使い方」を学ぶために重要なことだと認識されているので、子供用にデビットカードを作ったり、アプリを活用してお金の管理を行っています。
・アメリカ
2003年に金融リテラシー教育委員会が設立されており、金融教育で大切にしているのは「パーソナルファイナンス(個人のお金や計画や管理)」です。パーソナルファイナンスは、金融教育に関心を持つ民間金融機関・財団・政府機関などおよそ150の機関が共同出資して設立したNPO法人「ジャンプスタート(JumpStart)」が中心となって進めてきました。
2021年には「収入を得る」・「支出」・「預金」・「投資」・「クレジット管理」・「リスクマネジメント」と6つのカテゴリーに大別され多くの教育現場で学べます。暗号資産やモバイル決済など環境変化に伴う新しいサービスについての内容も追加されました。
学校での金融教育プログラムがとても充実しており、家庭や地域でも投資や資産形成の話をするのが日常的です。若いうちから投資や資産運用を始めて投資にはリスクがあるとも学びます。
日本における金融教育の現状
日本は経済的に豊かな国ですが、マネーリテラシーの水準は決して高くありません。OECDが2015年に発表した金融リテラシー調査では、日本は対象国の中で平均を下回る結果でした。投資や資産運用に対する理解や実践が他国に比べて遅れています。特に、「投資は危険」という固定観念が強いことが課題となっています。
最近のニュースで「投資詐欺」などが話題になることが増えました。
ニュースを目にすることでやっぱり「投資は危険」と判断されてしまいます。

学校教育においても、家庭科や公民科などを通じた金融教育が少しづつ強化されていますが、学校教育での金融リテラシーの取り組みが十分とは言えません。2022年から高校の家庭科で「資産形成」がカリキュラムに加わったものの、実生活に即した内容を学べる機会はまだまだ少ないです。小中学校では、お金の使い方や家計管理について具体的に学べる機会はほとんどありません。
日本では、お金の話を「タブー視」する風潮があり、子どもにお金の使い方を教える文化があまり根付いていません。家庭でお金の管理や投資について話し合う機会が少ないです。親がお金に関する知識が少ないので、子どもに教えることができません。子どもが大人に成長し、お金を使おうとすると正しい知識がないため失敗することがあります。「お金の知識は大人になってから学べばいい」というのでは遅すぎます。
高齢化社会における老後の資産管理の必要性から、成人を対象とした金融教育の機会も増えていて、「NISA(少額投資非課税制度)」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」などの制度を推進し、金融機関や政府も、市民向けのセミナーやワークショップを通じて啓発活動を行っています。
日本が国際的な水準に追いつくには、教育・家庭・社会全体での意識改革が必要です。特に、若い世代が将来に向けてマネーリテラシーを身につける機会をもっと増やすことが重要となります。

まとめ
マネーリテラシーの5つの基本がとても大事です。
①収入と支出の管理
②貯蓄の習慣
③投資の基本
④金融商品の知識
⑤税金や保険の知識
「マネーリテラシー」が低いと誤った金融判断により借金をしてしまい自転車操業に陥ります。そうなると生活が困窮するリスクが上昇します。また、投資詐欺や結婚詐欺などの金融犯罪に巻き込まれる可能性も高まってしまうので、このようなリスクを回避するためにも、「マネーリテラシーの向上」は必要不可欠です。